[書評]『イスラム飲酒紀行』を読んだら激しく中東に行きたくなった。

セントラルマーケット

僕個人ではイスラム圏ではマレーシア・トルコに行った事がある。マレーシア・トルコはどれもリベラルなイスラム国家でお酒にはだいぶ寛容的だ。本書の著者である高野秀行さんはガチのイスラム国家例えばイランやアフガニスタンで本来お酒など御法度の国で当局の目をかいくぐりながら現地人とお酒を呑むという前代未聞の旅行記である。

しかもノンフィクション・エッセイ。旅の途中で秘密警察に捕まったりもする。面白くないはずがない。ドキドキしながらページをめくってあっという間に読み終えてしまった。

『イスラム飲酒紀行』

イスラム飲酒紀行
イスラム飲酒紀行高野 秀行 森 清

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一章からいきなりパキスタン・アフガニスタン旅が始まる。パキスタン・アフガニスタンといえばイスラム原理主義者武装勢力の”タリバン”が有名だ。両国では今でも街の至るところでテロ・内戦が繰り広げられている。皆さんも良くニュースなどでご覧になった事があるだろう。

そんな危険極まりない国で無謀にも高野秀行さんは酒を探し求める。僕個人ではとてもじゃないが怖くてできない。

しかし本書を読み続けていくと厳格なイスラム国家の国民でさえもイスラム教または政府に不信感をあらわにしている人も少なくないのがわかる。大麻を吸うアフガニスタンの大学生・お酒を呑むイラン人、様々なイスラム国家の現実がわかって非常に参考になった。

中東に今すぐでも飛び立ちたくなるそんな1冊だった。

※話は少しずれるが僕の中でお酒といえば”中島 らも”さんが最初に頭の中に思い浮かぶ。『イスラム飲酒紀行』の読中に中島らもさんのお酒を題材にした名著『今夜、すべてのバーで』を何度か思い出した。

今夜、すベてのバーで (講談社文庫)
今夜、すベてのバーで (講談社文庫)中島 らも

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Thumbnail 今すぐ家を飛び出したくなった |『深夜特急〈1〉香港・マカオ 』 | Last Day. jp

//www.lastday.jp/2011/09/06/honkong-macau


コメント

  1. Marie より:

    初めてコメントいたします。
    facebookで、イスラム、特にエジプトについてコメントした者です。
    ご紹介の本、早速、Kindleに入れて、読み始めるところです。

    ほぼ毎日のようにエジプトの大学生たちと、拙い自分の英語を駆使して話していると、以前読んだ本の通りだな、と感じることが多々あります。
    (書籍:「ジハードとテロリズム」ー日本人が知らないイスラムの掟 佐々木良昭著)
    こちらの書籍では、根強いヨーロッパに対するアラブ圏のコンプレックスを解説していますが。

    今時の若者の根底にさえもそれが、そして「昔は、俺たちの方が進んでいたのに、武力で負けたから・・」という感覚が強いのに驚きます。

    いろいろな学生と話してみて感じたのは、生活の細部にわたって宗教の枷があるイスラム教は、たとえは悪いかもしれませんが、一種の思想教育のように思えました。
    「コーラン(クルアーン)は憲法」と。

    彼らの世界観は(程度の差はあれ)、アッラーの教えは「善」、それ以外は「悪」。
    グレーゾーンがない場合がほとんどですね。
    シンプル、勧善懲悪、自分で考える力が弱い傾向が感じられます。

    国際政治の舞台には、「善」も「悪」もなく、各国ともに国益のために動いているのが、その感覚が理解できない。

    ムスリムの生活様式が最良で、それ以外は「有害」。

    かなりやり合いました(笑)

    そう言いながら、欧米に憧れている。

    本来、イスラム教は、他の宗教にも寛容だという教えのはずですが、私が見た限りでは、その感覚を持つ方にはお会いできない感じです。
    (さまざまな、ムスリムのセミナーを受けましたが)

    そんな私の感覚を一変させて、イスラム教とイスラム教徒は違うのだと認識させてくれたのが、こちらの書籍です。
    ピューリッツァー賞を受賞したはずです。
    「コーランには本当は何が書かれていたか?」 カーラ・パワー著 秋山淑子訳
    ”IF THE OCEANS WERE INK”-An Unlikely Friendship and a Journey to the Heart of the Quran by Carla Power

    大変感動しました。

    ともあれ、私にイスラムの世界について勉強のキッカケをくれたエジプトに友人たちには、深く感謝しています。

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またよし れい

執筆者:またよし れい

1983年、東京都葛飾区生まれ。アメリカのカレッジを卒業後独立。

2010年よりブログを立ち上げ、現在はブログ発信を中心に世界を旅しながら仕事をしている。

著書に『C言語すら知らなかった私がたった2か月でiPhoneアプリをリリースするためにやったこと』、『Facebookコミュニティ成功の法則』などがある。

これから起こる事を予想できる人間は居ません。唯一わかっているのは、人間は誰でも必ず死ぬという事だけです。僕は何度も言っていますが、「今」を楽しめない人は、この先の人生も楽しめないと思います。人生は「今」の連続で、その延長線上に未来はあるのです。過去に嫌な思い出があっても、「今」を楽しく生きる事で、過去の事実は変えられなくとも、過去の意味は変わってくるんではないでしょうか?

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