僕が上海短期留学中に知り合い、その後も交流が続いている「トライリンガル」の横山さんにインタビューをしました。
イギリス・マンチェスターのビジネススクールで修士号を取得後、上海に行き中国語を習得。そして、そのまま上海のゲーム会社に就職している横山さん。
「海外の大学を卒業した人は、どんなキャリアパスを歩んでいるのか?」
インタビューを通して、とても参考になると思います。英語、中国語を武器に日々奮闘している横山さんに聞いてきました。
目次
生い立ちから経歴をカンタンに教えてください。
1984年名古屋生まれで、中学から東京に引っ越し、エスカレーターで慶應大学SFCに進学して卒業しました。
卒業後は都内の大手ゲーム会社に就職し、企画職として4年ほど勤務しました。留学を決意して会社を退職後、2012年5月に渡英して同年9月からイギリスのマンチェスター・ビジネススクールに通って修士号を取りました。
その後、思うところがあって日本に帰らず、一昨年の9月から中国に渡り、上海交通大学で中国語を勉強しながら友人が経営するベンチャー企業でインターンをした後、そのままその会社に就職しました。現在は中国2社目の企業でゲーム開発を続けています。
英語はどのように習得されましたか?(TOEFLやTOEICのスコアがあれば教えてください)
留学を決意した27歳のときに英語の勉強を再び始めました。大学受験も経験していなかったため、もともと英語はほんとに駄目で、実力の確認のためにうけたTOEFLは26点、TOEICは400点そこそこと散々でした…。自分は基本的に怠け者なので、再学習にあたっては、塾や学校に通ったりすることで無理やり英語を勉強しなければいけない環境を作ることにしました。具体的には、
- IELTSを専門に教える塾に週2で2ヶ月ほど通学
- 文法専門の英語塾に週2回3ヶ月ほど通学
などです。更に渡英後に大学付属の語学学校で2ヶ月、大学院が用意した進学用の英語コースで2ヶ月勉強して多少マシになりました。
とはいえ英語力が一番伸びたのはやはり大学院進学後です。英語での授業、プレゼン、ディスカッション、グループワーク、課題の作成などでだいぶ鍛えられました。
苦労したのは発音と、会話のスピードにあわせて英語の文章を組み立ててを喋ることです。発音のせいでだいぶコミュニケーションに障害があったので、発音記号を覚えて毎日単語をぶつぶつ壁に呟いたり、シャドウイングをしているうちに多少良くなりました。
英語の文章のスピーディな組み立てについては、瞬間英作文での勉強がだいぶ役に立ちました。今はTOEFLで96点、TOEICはしばらく受けていませんが、たぶん850点から900点くらいの実力だと思います。
イギリスで大学院生活をどのように過ごしたか教えてください(1日のスケジュールなど)
9:00-15:00 大学院の授業
15:00-21:00 翌日の授業のための論文や参考文献に目を通す、英語の自習
21:00-0:00 夕飯(自炊したりクラスメートとパブでご飯を食べたり)
1:00-8:00 就寝
上のスケジュールは通常時のもので、試験期間中は朝から晩まで図書館で試験勉強とレポートの作成をしていました。
卒業近くになると授業も完全になくなり、1日中図書館で論文を書いていました。
イギリスの大学院は1年なのでお休みは多くないのですが、試験後の休暇などにはイギリス国内やヨーロッパに旅行に行きました。マンチェスターはLCCのハブ空港なので、ヨーロッパ各地に格安で旅行ができたのが嬉しかったです。多少つらいこともありましたが、全体的にはとても満足がいく留学生活でした。海外大学院への進学はこれまでの人生で一番良い選択だったと思います。
中国語はどのように習得されましたか?(中国語の資格などあれば教えてください)
中国語の勉強を始めたのは渡英中です。マンチェスター大学は中国人の学生が多く、彼らに興味を持ったのがきっかけです。
幸い大学から補助金をもらえたので、大学にある孔子学院という中国政府が主催する学校で、授業が終わったあとにイギリス人に混じってクラスに通い、さらに中国人のルームメイトやクラスメイトに頼んで、わからないところを教えてもらっていました。
とはいえ英語で中国語を学んでいたために上達が遅く、卒業後に思い切って中国に留学し、上海交通大学で9ヶ月ほど中国語の授業を受けることにしました。
同時に現地でインターンをして無理やり中国語を使う環境を作った結果、とりあえずビジネスレベルまで中国語のレベルを引き上げることができました。英語を勉強する過程で語学習得のポイントみたいなものはある程度掴んでいたので、上達は速かったと思います。昨年の6月に中国語検定の最上級であるHSK6級に無事合格しました。
今までついた仕事について教えてください。
新卒からいままでゲームの企画とディレクションの仕事を続けています。企画職はゲームの遊びかたやルールの決定、シナリオの作成のほか、更にチームマネジメントやスケジュール管理などの仕事も含まれ、企画というよりかは「デザインとプログラムとサウンド以外」といったほうが正しい感があります。勤務経験は以下のとおりです。
- 日本の大手ゲーム会社で企画職として4年
- 上海のスタートアップ企業で2年(インターン含む)
- 上海2社目のスタートアップで2ヶ月(現在)
ゲーム企画の仕事は死にそうになるほどの苦労も多いですが、お客さんにゲームを評価してもらった時、新しいアイデアが上手くはまった時などの喜びが大きく、非常に充実していますし、世界中にコンテンツを発信することができるのも魅力的です。これからも続けていきたいと思っています。
現在の仕事について教えてください。
参加していた現地スタートアップが資金繰りの悪化のため解散してしまい、現在は中国資本の別のゲーム会社に転職し、ゲームディレクターとしてアジア市場向けのスマホゲームの開発に取り組んでいます。
主な業務はゲームの全体的なコンセプトや方向性の決定、仕様の作成、クオリティマネジメント、プロジェクトのスケジュール管理です。今の会社も社員が50人ほどの、まだまだ小さなベンチャー企業ですが、中国の新三板と呼ばれる新興株式市場への上場を目指して皆頑張っています。
社員は僕以外ほぼ中国人なので、基本的に中国語を使っています(超困ったら英語を使います)。文化的な違いやパーセプションギャップなどでうまく話が通じないこともよくありますが、絵を描いたり例を見せたりして何とかかんとかコミュニケーションを取っています。
上海での生活について教えてください。
中国人のルームメイトとルームシェアをしていて、家賃は毎月2000元、食費や光熱費など合わせて3500元程度です。今の給料はさほど高くないのですが、可処分所得が多いので、生活的にはもしかすると日本より余裕があるかもしれません。
また、上海は味の良い日本食レストランなども多く、空気も言われているほど汚くありません。また国際都市なので、外国人が夜な夜な集うようなバーやクラブも多く、楽しみながら生活しています。
参考:中国・上海の生活費はいくらかかる?1ヶ月暮らしたので、計算してみた。
参考:海外旅行保険について(//www.lastday.jp/2013/02/21/insurance-travelling)
海外で勤務したいと思ってる人にアドバイスをください。
僕自身、日本にいた頃は海外での生活や仕事はハードルが高そうだなと思っていましたが、実際にやってみると意外となんとかなるものだな、というのが実感です。言語、生活環境、職探しなどに関して多少の苦労はあるにせよ、現地で頑張っていると意外と助けてくれる人が出てきて、結果的にうまくいくことが多いです。仕事探しについては、何かの専門的なスキルを身に着けているとやはりスムーズに進むなあと思いました。
自分が住み慣れた環境から離れて、異国の地で何かに向けて頑張るというのは、自身のスキルや人間性を確認するため、そしてそれらを鍛えるために非常に良い経験になると思います。少しでも海外勤務に興味があるのであれば、しっかりと準備をして、ぜひ一歩目を踏み出してみてください。
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さいごに
これから海外の大学に進学しようと思っている方にも、是非読んで頂きたいインタビューです。僕も中国語の勉強をサボってしまているので、この記事を読んだらやる気が出てきたので、再開しようと思います。
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